修善院は臨済宗大本山佛通寺開山愚中周及禅師の高弟、宗綱恵統禅師が創建した開創六百年有余年の歴史と伝統を誇る禅寺で、広々とした大田庄(世羅台地)を見渡す眺望の良い境内の一隅には俊足の守護神・韋駄尊天が建立されています。
〝韋駄天さん〟の呼び名で親しまれる韋駄尊天は、いにしえよりインドから中国を経て日本に伝わる仏法の守護神で俊足の神として広く信仰されており、俊足を駆使して修行者の衣食住を護るとされることから総べての禅宗寺院に於いて庫裡の玄関に木彫の像が奉られていますが、修善院の韋駄尊天のように野外へ建立された露座の石像は日本国内で唯一とされています。
その尊容は、満面に笑みをたたえ、腕には宝剣を捧げ持ち、悪魔を払って家を護り、俗に“韋駄天走り”といわれるごとく駆け廻って日々の糧と幸福を集めてきてくださるといわれています。